2024年9月13日(金)に第2回研究会が開催されました。
○ テーマ : 「少子化と外国人労働者:移民は少子化対策の切り札か?」
○ 日 時 : 2023年9月13日(金)16:00-17:30
○ 場 所 : 駐大阪大韓民国総領事館 5階 多目的ホール
○ 講 師 : 後藤純一 氏(神戸大学名誉教授)
外国人労働者受け入れに関する講演と討論の要約
1. 後藤淳一教授の講演概要
後藤教授は少子化問題への解決策として外国人労働者の受け入れが効果的かどうかを議論し、短期的な効果には限界があり、国内の労働力、特に女性の社会進出促進が重要であると指摘した。また、外国人労働者への過度な依存は経済の不安定要因になると警告した。
2. 質疑応答の要点
(1) 外国人労働者の受け入れとその効果
労働人口の減少が長期的問題であり、外国人労働者の受け入れにはコストが伴う可能性があると述べた。日本国内の潜在的な労働力、特に女性、高齢者の活用も必要であると強調した。
(2) 経済的・社会的影響
現在、日本には約200万人の外国人労働者が在住し、製造業、サービス業など多岐にわたる分野で活躍している。受け入れの拡大に対して地域集中による経済・社会問題への対策が求められる。
(3) 差別問題
外国人労働者への差別的待遇を懸念し、日本人労働者と同等の賃金と住居環境の提供が必要であると述べた。
(4) 韓国と日本の労働市場比較
参加者は韓国がベトナムからの労働者を受け入れている状況を挙げ、日本も同様の課題に直面していると指摘。両国の労働市場の協力可能性も議論された。
(5) 農業と地方経済への依存問題
農業分野では小規模経営が多く、外国人労働力への依存が深刻である。構造改革と効率的な農業運営が必要とされた。
(6) 女性の社会進出と少子化問題
女性の社会進出が少子化を悪化させるとの懸念が示されたが、後藤教授は保育施設や社会支援の強化による解決可能性を指摘した。
(7) フィリピン家政婦の受け入れ問題
フィリピンの家政婦の過度な低賃金労働の状況が議論され、国際的な労働力移動の公正さと技能活用の重要性が強調された。