近年、インド太平洋地域情勢が急速に変化しており、アジアの人口と影響力が増大し、全世界が注目している。関西韓日フォーラムでは、韓日米関係に焦点を当て、専門家を招いて分析を行っている。2023年のシンポジウムでは、中国とインド関係に注目した。また、駐大阪大韓民国総領事館主催の研究会や経済フォーラムでは、釜山博覧会や大阪のIR誘致に関する専門家の発表が行われた。この記事はこれらのイベントでの発表をまとめたものである。
金泰旭
半導体産業についての概要と、CHIP4という半導体産業に影響を与える取り組みについて説明している。半導体産業の定義と特徴、市場現況、制度論的アプローチについて説明し、商務省が提出した半導体製造および高度パッケージングサプライチェーン検討報告書の勧告事項についても触れている。
また、CHIP4の概要と参加国への影響、半導体産業の独特な特性についても説明している。今後の韓日台米4カ国の半導体産業を巡る協力と競争は非常に重要なトピックスであるため、目が離せない。
鍋嶋郁
日本と韓国の関係や地域間協定の役割について解説している。世界情勢の不安定化に伴い、自由貿易に対する保護主義的な考えが広がりつつある中、地域間協定が重要性を増している。また、21世紀に入ってから自由貿易協定の数が急増しており、日本と韓国も例外ではなく、様々な国・地域と経済連携協定を結んでいる。さらに、もし世界が「西側」と「東側」に分かれた場合、経済的損失が大きなものとなることが研究によって示されている。
後藤純一
少子高齢化が国民経済に及ぼす影響や対策について考察されている。出生率の減少は、人口減少のみならず人口の高齢化を引き起こし、労働力不足、年金財政の破綻などさまざまな悪影響をもたらすことが指摘されている。将来の総人口、年齢別人口の推移を概観し、人口学的対応と労働経済学的対応の2つに分けて対応策を考察している。
西田竜也
米国中心の国際秩序が変化していること、バイデン政権の安全保障戦略や国家防衛戦略、インド太平洋戦略がどのように対日及び対韓政策に表れているかを考察している。また、日米韓関係の現状と展望についても触れている。
浅羽祐樹
日韓関係の改善に関する研究であり、悦大統領の決断により徴用工問題が解決され、日韓首会談が開催されたことが書かれている。また、シャトル外交が復活し、日韓関係の改善が期待されている。また、日韓関係の歴史や現状、両国の政治・経済・文化面での課題や取り組み、ジェンダー差などについても触れられている。9月12日に行われた関西経済フォーラムと7月14日に行われた研究会においては、以下のような内容が発表された。
若林直樹
2025年に大阪で開催される「2025年日本国際博覧会」について、観光地競争力の観点から検討した研究である。万博が関西地方の観光再生にとって重要な起爆剤になることが期待されており、万博を契機にした関西地方の観光地競争力のあり方について検討されている。
金相俊
2023年に開催される大阪万博に関連して、韓国・釜山の観光活性化戦略について説明している。釜山市の観光業界における課題や問題点、観光従事者の賃金水準の低さ、そして観光活性化のための施策や取り組みについて詳しく説明されている。また、万博がもたらす異なる文化や国々の交流を奨励する価値や、経済的効果についても言及されている。
YOO, Kate Inyoung
日本の統合リゾート開設が韓国の観光産業に与える影響と、それに対応する戦略について分析している。韓国の観光産業の長期的な発展に必要な戦略要素を提案し、日本の統合リゾート開設による韓国のカジノ産業の強化を促進する可能性のある戦略についても検討している。具体的には、日本の観光競争力の強化が韓国でもカジノを観光資源として認識するための重要な促進要因となること、韓国も長期的な観光政策の必要性を考慮し、グローバルな観光商品の開発に力を入れるべきであることが述べられている。
まとめ
関西韓日協力フォーラムはこれからもインド太平洋地域全体を俯瞰しながら韓日米関係を政治経済文化などさまざまな観点から分析し、提言を続けていく所存である。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。